最近「腸活」という言葉が流行っています。腸内細菌が皮膚や脳など全身に影響するということがここ20年ほどで急激に解明されました。
大ブームとなった「ヤクルト1000」も腸内細菌を整え、体調を整えるというものです。
人のみならず、ワンコの健康のためにも、腸内細菌を整えてあげることはかなり大切です。調べてみると、ワンコの腸内細菌のためのサプリや製品も多々あることがわかりました。何を選べば良いのか、腸内環境がなぜ大切なのかを理解することで、選択する際の手掛かりになりそうです。とても長くなりそうなので、まずはざっくりまとめてみました。
なぜ腸内細菌に注目が集まっているのか
*本や商品の紹介にアフィリエイト広告を利用しています
腸内細菌叢のゲノム解析
以前より、腸と脳の関係、皮膚との関係はいわれてきました。ただここ数年で一気に注目が集まっているのは、「腸内細菌叢のゲノム解析(DNA塩基配列の解読)が進んだ」ためといわれています。
この解析により腸内細菌は各人にとって全く異なることがわかってきました。人種差・地域差もかなりあります。日本人と欧米人とは全く異なる腸内細菌叢を保有しています。また遺伝性、出生様式(経膣分娩か、帝王切開か)、母子環境によっても腸内細菌叢に変化が起こることがわかっています。
長寿の地域では一定の腸内細菌(酪酸菌)が多いことが発見されたり、多様な疾患が実は腸内細菌との関連性があることが証明されたり(後述)、1冊でもまとめ切れないほどの情報量がここ数年で報告されています。
ちなみに自分の腸内細菌叢を調べるというキットもあるそうです。「腸内フローラ検査キット」来年には1度試してみたいと思っています。
腸内細菌についてわかる本
かなり専門的な内容ですが、最近読んだ本のなかでお勧めの本「腸内細菌叢」の本です。
NHKスペシャルで取り上げられてまとめられた本、「腸内フローラ」こちらは読みやすいです。
腸脳関係・腸皮膚関係
腸と脳・皮膚との関係
「老化」は疾患であるという考え方があります。超高齢化社会を迎えるにあたり、予防医学にスポットが当り始めています。健康寿命をいかに伸ばすかというのが大切な視点になっています。運動・食事・精神活動などに注目が集まる中、主に食事と関連して腸内細菌と老化予防という考え方が一般的になってきています。
腸内細菌は腸疾患のみならず、一見腸とは関係のないように思える悪性腫瘍(乳癌や前立腺癌など)との関連性や脳の疾患、糖尿病、アレルギーとの関連性、さらにダイエット(痩せる・太る)との関係もはっきり分かってきているところです。
腸と脳との関係、皮膚との関係は感覚的には分かっている部分も大きかったと思いますが、実際に相関関係が証明されています。
腸脳関係
- 腸→脳へ・・・気分障害、睡眠、行動、認知機能
- 脳→腸へ・・・便秘(下痢)、腹痛
すっきり快便だと気分が晴れたり、睡眠の質が改善することの経験はあると思います。逆にストレスが多いときに下痢になったり、便秘になったりすることの経験ももちろんありますよね。これは単なる気分の問題ではなく、神経伝達物質との関連性が指摘されています。
腸内細菌がセロトニン(幸せホルモン)やノルエピネフリン、アセチルコリンなどの神経伝達物質を生成するなどして、情動・認知などの行動にも深く関わっていくことが証明されています。快便であった時に気分がすっきりしているのは、実際にこれらの神経伝達物質のおかげともいえます(このほかに神経ペプチドの放出や全身の炎症との関連性もあります)。腸内細菌が性格にも関係してくるようです。
腸皮膚関係
- 腸→皮膚へ・・・アトピー、ニキビ
- 皮膚→腸へ・・・紫外線、ビタミンD
便秘があると、私はすぐにニキビが出来ていました。逆に快便が続くと、肌の調子が良いというのは誰しも経験あると思います。
さらに皮膚←→脳の関係もあります。ストレスの感情→腸内細菌叢の変化→朝の透過性の変化→ニキビの生成というのも体感的に感じることがあるかと思います。さらに、腸の透過性(すなわちバリア)の崩壊→細菌や毒素が吸収、腸のバリアから循環系へ→気分障害が起きることもあります。
一見単純そうですが、実はかなり複雑に絡み合っていると思われます。
どんな腸内細菌を育てるべきか
腸内細菌の種類
注目の腸内細菌ですが、わかってきたとはいえ、実はまだまだ多くの腸内細菌について詳しい働きがわかっていないという状況がまだあります。果てしない・・・。
一般的な分け方として、善玉菌・悪玉菌・日和見菌という分類があります。
いわゆる善玉菌の代表としては、ヨーグルトやヤクルトでお馴染みのビフィズス菌・乳酸菌が挙げられます。これらが全体の20%とされています。
悪玉菌(ざっくりというと体調不良・下痢のもと)としては大腸菌や腸球菌、ウェルシュ菌などが挙げられます。これらは全体の10%。腸炎を引き起こします。カレーやシチューはしっかり温め直さないといけません。ただ、これら悪玉菌は完全に「悪」かというと実は、体に良いことをしたり、善玉菌が働くのを助けるといった働きをしていることもわかってきました。
さらに日和見菌というどっちつかずの菌がありますが、これらは時に善玉菌のように働いたり、悪玉菌のように働いたりと、状況次第というわかりにくい菌たち。要はまだわかっていないところもあるようです。全体の70%と最大多数を占めています。
お勧めの本「腸内細菌キャラ図鑑」わかりにくい細菌たちがキャラ化されています。もやしもん的な感じです。絵も可愛くて読みやすい。
株??
ヤクルトでお馴染み、シロタ株。株とは何か?これは分類のことをいうそうです。乳酸菌シロタ株。日本人の山田さん、みたいな分類(ざっくりしすぎてますが)。
シロタ株:1930年に代田(シロタ)先生が発見した乳酸菌の一種だそうです。別名、ラクトバチルス・ガゼイ・シロタ。大腸癌の予防や免疫力強化、花粉症予防など多くの効果が期待できるとされています。多くのサプリの問題点は腸まで届くかどうかという点にありますが、このシロタ株は広告の通り、酸に強く、「生きたまま腸内に届きやすい」という大きな特徴があります。また悪玉を減らす力も持っています。ヤクルト1000がここまで人気なのは、このシロタ株がかなり強力だからという大きな理由があるのです。
プロバイオティクス、プレバイオティクスという考え方
プロバイオティクスとは、要は腸内細菌たちのことをいいます。ヤクルトなどはこのプロバイオティクスを摂取することになります。
そしてもう一つ、大切な概念としてプレバイオティクスというものがあります。これは要は腸内細菌たちのご飯、エサ、元気になる元をいいます。有名なものにはオリゴ糖、食物繊維、イヌリンがあります。野菜を沢山食べるというのは、ビタミンや栄養だけの問題ではなく、腸内細菌を元気にするために食べる意義もあるということになります。
サプリで腸内細菌を補充するという考え方は広く浸透していますが、同時にこのプレバイオティクスも意図的に取ってあげる必要があります。野菜をもりもり食べて、腸内の細菌たちにご飯をあげていると思うとちょっと野菜を食べるのが楽しくなってくると思います。
以前、便秘に悩んでいた頃、看護師さんにお勧めされ、以後ずっと使用しているものがこちら。グァー豆(クラスタマメ)という食物繊維があります。エンドウ豆の一種だそう。
個人の体験談ですが・・・このサプリ、私は開始直後はとても良い便の状態になったのですが、しばらくすると元に戻ってしましました。飲んでいるのになぜ?と不思議でしたが、腸内細菌、プロバイオティクスも一緒に摂取していなかったことが原因でした。腸内細菌サプリも一緒に飲んでいる今は、ほぼ毎日すっきりしています。
お勧めのものにサンファイバー、スティックのものと袋のものがあります。圧倒的にスティックタイプがお勧めです。適量に分かれていますし、手間が省けます。毎日の習慣にするにはいかに手間を省くかが大切かと思います。旅行先や外出先でも飲めるというメリットもあります。お値段分の価値はありだとお思います。
味は美味しくはないですが、味の濃いもの(お味噌汁やお茶)に混ぜてしまえば、ほとんど気になりません。お水だと、ちょっとまずいかな。
また同じようなものにファイバープロがあります。こちらもサンファイバー同様、スティック状のものがお勧めです。効果は私はサンフアイバーと変わりありませんでした。
人によっては違いもあるかと思うので、兎にも角にもお試しが大切かなとは思います。
ワンコに与える腸内細菌サプリ
ここまでの議論はワンコにも当てはまることになります。いかに腸内細菌叢を整えてあげるか。
このためには、プロバイオティクスとプレバイオティクスを与えてあげることが必要です。普段のドッグフードに含まれているかのチェックが必要です。それだけでは不十分な場合、やはりサプリで補ってあげると良いと思います。特に歯の状態や涙やけ問題、毛並みとも関連してくるので、ここは慎重に選んであげる必要があると思います。
とはいえ、ワンコたちも各自腸内環境は異なるので、実際に試してあげることが必要です。最近では、ワンコの腸内細菌チェックもあるようなので、これも2023年中には試してみたいと思っています(KINS WITH)
うちのワンコのレギュラーは次のものです。(過去記事:朝のスープ)
おいしい納豆菌 :抗酸化作用もある納豆(過去記事:体の酸化に立ち向かう)。納豆菌は乳酸菌などの善玉菌の助けにもなるようです。乳酸菌との相性が抜群に良いといわれている菌です。実際、これを開始してからワンコの便の調子はとても良いです。
マイトマックススーパー :ペディオコッカスという乳酸菌の一種が含まれているサプリになります。これも下痢をした時から開始しています。もともと毛量の多い子ではありますが、ふわふわの毛を保てているようには思います(単なる親バカかもしれませんが)
そして上述の腸内細菌チェックもできるKINS WITHのサプリ。こちらは実は歯の相談に行った獣医さんでお勧めされたのですが、試してみると確かにワンコの調子が良いです。特に涙やけがさらに改善されました。定期購入とするかどうかお悩み中です。
今後の課題
人もワンコも商品がとにかく多い・・・ただこればかりは人それぞれなので、試してみることが一番かなと思っています。
2023年も引き続き、人もワンコも色々とお試ししようと思っています。何かを試して効果が出てくるのはとても楽しい作業ですね。お勧め商品が少しでも他のワンコさんたちの役に立てば嬉しいなとは思います。
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