一昨年読んだ本の中でも自分の中でかなり上位だった本、ザリガニの鳴くところ(Where the Crawdads Sing)です。
絶対に実写化されるだろうと思っていました!
・・・と、ほらみろ感を出してみましたが、私は邦訳を読んだので、その時点で既に映画化の話は出てたんですけどね。
あらすじはこんな感じです。
ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアは湿地の小屋でたったひとり生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女のもとを去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく…みずみずしい自然に抱かれて生きる少女の成長と不審死事件が絡み合い、思いもよらぬ結末へと物語が動き出す。
以下ちょっとだけネタバレ(結末は伏せています)
ミステリー小説として分類するならば、誰がやったのか(whodunnit)になります。ただ、ミステリーとしては特にトリックもあるわけではなく、謎が多い小説ではありません。ミステリー小説というよりも、文学小説に分類されるものかと個人的には思います。
映画宣伝では「ミステリー」を前面に出していたので、そちらをメインの構成にしているのかもしれませんね。
最後の最後で結論が分かるわけですが、そこに至る過程が非常に面白いと思います。読み始めた当初は結末が予想できませんでした。読み終えた段階で批判的な感想もあるかと思います。
個人的には、最後の結末について「よくやったね」という感想を抱きました。この見解にも賛否両論あるかと思いますが。
自分を置き換えて考えることも難しい設定ですが、最終的には主人公カイアの行動力、信念に共感と尊敬の感情を持ちました。人の強さと弱さ、優しさと残酷さもしっかりと表現されていて、とても深い作品だと思います。
実写化映画はよくあるように、実写化して残念なパターンが多いですよね。大量の小説を2、3時間にまとめるのだから当然とはいえ。
もともと映画は滅多に見に行く事はありませんので、今回もおそらくHuluかu-nextなどの動画配信待ちかなと思っています。ただ、CMを見ると、予想していた人物像イメージとはかなり合っているキャスティングがされているように思います。
映画も良いですが、もし良ければ小説を読むのがおすすめです。
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