ディズニーの定番、魔法のランプのお話、アラジンを最近また見ました。好きな人も多いと思います。
2019年に飛行機の中でディズニーの当時最新版を見ました。この時、ラストに少なからぬ衝撃を受けたことを覚えています。
これまでおとぎ話の定番は、「王子様とお姫様。女の子は悪者に襲われ、王子様が助ける。そして女の子は王子様の妻となり、女王様に。2人は幸せに暮らします。めでたし、めでたし」。白雪姫、シンデレラ、ラプンチェル、眠り姫・・・皆、屈強で誠実な理想の王子様が現れ、救ってくれています。うらやまし。
余談ですが、女性はそりゃお姫様になりたいですよね。小さい頃から「教科書」としておとぎ話を読んでしまうのですから。深く深く擦り込みされてしまいます。強くて優しい、誰もが認める男性、ハンサムで背も高い、太ってなくて痩せすぎでもなくて、もちろん健康上の問題もなし。さらにお金も地位もあって(アラジンにはこれはありませんでしたが)、しかも浮気はしない、一途で誠実!これが教科書的な「男性像」です。いわゆる婚活中の女性はよく「理想が高すぎる」とよく言われてしまいますが、こんなことを小さい頃から擦り込みされてるから仕方なしです。賢い女性はきちんと現実とおとぎ話を区別しているのかもしれませんね。かくいう私も擦り込みされた1人だと思います。賢く妥協することが大切です。それが限られた人生の時間を最も有効に過ごせるコツかもしれません。
私もこれまでおとぎ話を深く考えていませんでした。アラジンも昔のバージョンは、アラジンが王様になり、ジャスミンはその妻に。めでたしめでたしだったように思います。おとぎ話、お姫様と王子様のお話ってそんなもんでしたよね。
今回のディズニーでは、正統な血筋を引くのはジャスミン、だからジャスミンが「王」となり、アラジンはその夫となりました。普通に考えたら、当たり前のこと。男性しか王位継承権がないというのはおかしいのではないか、賢いジャスミンが王になることで何が悪いのかという近年の考え方があり、今回の改変なのでしょう。昔のバージョンでは、確かに何を根拠にしてアラジンが王様なのかわからないですね。ただ男性だからということなのでしょう。
今回はアラジンが「玉の輿」になった話。恋に落ちたのが、王様なら身分の差も乗り越えられます、当然女性バージョンならなんの違和感もない。これまでのおとぎ話は全てその玉の輿パターン、今回は逆玉の輿パターンです。
そして同様に2021年公開のシンデレラ、こちらはamazon original バージョン。これもラストはシンデレラが自らデザイナーの仕事を得て、自立していきます。王子はなんと、王位継承権を捨ててシンデレラに着いて行ってしまいます。これはこれでかなり責任感のない話ではないかと思いましたが。これまでの「結婚して玉の輿」とは全く異なる展開でした。これはこれでありだと思いました。
当時、お付き合いしていた人にこのおとぎ話の変遷について話を振ってみたのですが、反応が悪かったことを覚えています。まあ近年そんなもんでしょみたいな考え方だったのか、その動きにも気づけないような愚鈍だったのか(悪口になりますが、後者な気はしています)。
最近フェミニズムに関する本を読んで、この映画を思い出し、再度u-nextで見てみました。音楽が良いですね。やはり魔法の絨毯はワクワクします。「ホールニューワー♪」とか見つめ合って歌っている場面はやや苦手ですが、短めでした笑。主役の女性、Naomi Scottが知的で本当に素晴らしく可愛かったです。そして以前は気づかなかったのですが、ジャファーもなかなか魅力的。もちろん悪役なのですが、今回の映画中、実は成り上がった過去をアラジンに話す場面や、アラジンにも匹敵するスリの技術など披露する描写もあります。俳優さんもとても素敵な方だと思います。
この映画を見返すきっかけになった本、フェミニズムってなんですか? (文春新書 1361)
これを読んだ後に映画を再度見たくなって見返しました。
*本の紹介にアフィリエイト広告を利用しています
とても勉強になりました。これまでのフェミニズムの歴史や現在の話題になっている事柄など、広く扱っています。フェミニストという言葉だけだと、社会学の一分野としてやや難解な印象もありますが、素人にもとてもわかりやすく解説がなされています。sex and the city、日本のやまんばメイクについて、最近話題になっている中絶問題やセックスワーカーについての問題にも触れられています。フェミニズムという観点から多種多様な話題を広げています。「俯瞰する」という言葉がよく合う本でした。ぜひ通読してみると面白いと思います。ここで紹介されていたドラマもまた見てみたいと思っているところです。
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